てーきゅう

てーきゅう [Blu-ray]

てーきゅう [Blu-ray]

おもしろいよね。
もう10周してます。安いのでBDも予約しました。収録内容考えると実はそこまで安くないけど。
でも桃華月憚原理主義者としてはどうもその精神で語りたい心境なので、これの面白さの理由を挙げてみます。

1. ハラハラ感
「あと数十秒でどうオチを付けるの!?」というハラハラ感が湧くのがこのアニメです。
ニコ動なんかで観るとシークバーが表示されるので尚更ですね。それならこういうアニメは
ネット配信の方が向いているのかもしれません。

で、まあ2分という非常に短いアニメで、その長さ自体がハラハラする。
しかし一目瞭然の速さですから、どんな転び方でも出来そうな万能感もあって、それは肥大していく。
逆に言うと今やってる『ぷります!』なんかは話が連続しているのでオチが無い、キャラに萌えるだけで安心できる
作品ですので、そういったハラハラは次第に少なくなっていく。

てーきゅう』の後にこれを観ると「あと数十秒でどうやってオチを付けるんだ」と気にせずにはいられないですね。
キャラ萌えで本編を乗り切るのならもう慣れてもいい頃合いなのですが、どうも『ぷちます!』は肌に合わなくて、
でもその原因自体は速さやキャラなどの埒外にあると思います。

では『桃華月憚』ではどうか。
逆再生ということは、前に観た話の序盤と、今観ている話の終盤が連続していないといけない。
今観ている話で新キャラが出てきたら、そのキャラは今話で退場しないと辻褄が合わない。
そうなると、これも「残り数分(数十秒)でどうするか」が問題となってきます。

そもそも望月智充自身がリミテッドアニメの畑でモノ作りをしてきた人ですから、
ヤミ帽』『桃華月憚』ではそれを時間軸の領域にまで拡大させた……と考えています。
てーきゅう』は時間も動画枚数も少ない典型的なリミテッドアニメですし、
そういった精神的な共通点はどこかに潜んでいると感じています。
ハラハラ感を端的に味わうなら『桃華月憚』より『メメント』を観たほうが圧倒的に良いのですが。

2. 忘れる
桃華月憚』については以前言った通りですね。
てーきゅう』では設定が分からないから忘れるのではなく、速いから忘れる。というより取り逃がす。
作品では感情表現を完全に圧縮し、平気で前後のキャラの同一性が失われる。でもそこに違和感はほとんど無い。
それは観ている我々も、別に大して長い時間このキャラたちを眺めている訳ではないから、そんなことを論じてもしょうがない。

桃華月憚』も初見では、物語の連続性はあっても設定の連続性なんて気にしている人はあまり見かけません。
それは単純に観ていて忘れるし、追いかける必要性もあまり無いから。
てーきゅう』はその辺り完全に許されてるので、どんどん逸脱できる。(ボケ・ツッコミさえ確立していれば)

これだったら、特に2話が大好きで、忘れた頃に最後でトイレのスッポンが出てくるとか、最高に良いですね。
桃華月憚』でも殆ど忘れてたのに1話序盤と2話終盤の携帯電話シーンがつながっていて感動したので、こういうパターンに弱い。


よく考えたもののこの二つがデカかったので、書いてみました。新年あけましておめでとうございます。