C84での『桃華月憚』同人誌「幻想綺憚輯」について

ようやく入稿しました。何か非常にまずい間違いがなければ販売できると思います。
ので、この度コミックマーケット84にて、我々、桃歌台学園雅研究会が

1日目(土)東ヒ55a

にて販売いたします、『桃華月憚』二次創作・評論・エッセイ同人誌「幻想綺憚輯」の告知をします。ギリギリまで詰めこんだ結果として116頁の大ボリュームとなりました。

「幻想綺憚輯」

執筆者:ルバーブ(@rhubarbtbru)、turnX(@turnX)、天瀬(@race_c
表紙:であげるべ
頁数・サイズ:116頁・A5
収録コンテンツ(サンプルは右クリック保存したほうが読みやすいかもです):

  • 「ヰントロダクション」

この同人誌の読者の皆様へ、『桃華月憚』というアニメは一体何だったのか、
なぜ今になって『桃華月憚』なのか、を語り始める。

  • 「たかさごの」著:ルバーブ【二次創作短編】

以前pixivにアップした短編小説の修正版。

  • 「二〇一三年 七月一二日 望月智充取材録」

 構成:turnX、注釈:ルバーブ【特別企画】

桃華月憚』のシリーズ構成を担当された、ベテランのアニメ監督・望月智充先生に、
桃華月憚』の制作当時の雰囲気から、『セラフィムコール』(99)、『ポルフィの長い旅』(08)、
さらい屋五葉』(10)、『ローゼンメイデン』(13)などの制作エピソード、
業界入りから現在に至るまでのお仕事の経歴、SF趣味まで幅広く、三時間あまり語っていただいた。
それを再構成し、一万五千字あまりにまとめあげたロングインタビュー。
度々登場するアニメや映画タイトルのほとんどを網羅し、読み進める一助となる注釈付き。
 サンプル

 この双作品の関わりは本当に、「メインスタッフが同じ」というだけなのか?
ふたつを隔てる四年間あまりに見出される変化とは一体何か?構造と物語、
それぞれの観点から注目し、導き出される「円環」の存在を解き明かす。
 サンプル

  • 「楓子香」著:turnX【二次創作中編】

 不思議な桃園の夢を見るようになって以来、桃花は異様な空腹感に苛まれていた。
節操無くつまみ食いを繰り返していたある日、桃花は同級生達の首筋や唇から漂う
妖しい香氣に誘われ、人の体内に埋め込まれた幻の果実の味に魅入られていく。
 サンプル

  • 「And I may be the Mayor of Simpleton. But I know one thing...」著:天瀬【評論・エッセイ】

桃華月憚』はなぜ逆再生なのか。第1話「桜」、第2話「歌」を読み取り、
守東桃香、川壁桃花という存在を再考することで、その真意に迫る。
 サンプル

上巳の歌会は近づいてきているけれど、それ以外は普段と何ら代わりのない一日。
だが守東家に仕える御堂寧々は知っている、今年の歌会はいつも通りでは無いことを。
そして寧々は突然に、守東家を数十年も囚えて離さぬ忌まわしき呪いに直面する。
 サンプル

  • 「『桃華月憚』を語り得ない、上津未原の住人へ」著:turnX【エッセイ】

桃華月憚』のような珍作の類に入れ込むけったいなアニメファン達、その少数民族の驚きの生態とは?
厚顔無恥な自己開陳を織り交ぜつつ、07年当時から現在までの奇作・怪作アニメを振り返り、
面倒なアニオタの今日的なありようを探る行き詰まりエッセイ。
 サンプル

  • 「二〇一三年 三月八日 『桃華月憚』座談会録」司会・構成・注釈:ルバーブ【特別企画】

三月に突如として開催された『桃華月憚』の座談会。
初視聴者が揃う中でのフレッシュな感想を辿りつつ、アニメと逆再生の在り方などについてを探る。

  • 「明日からの歩きに備えて」著:ルバーブ【二次創作短編】

「たかさごの」と対になる、もうひとつの物語。書き下ろし。

といった内容です。それでは当日お待ちしております。


【追記】
予定通りの仕上がりだったので販売いたします。
販売価格:1000円
委託予定:今のところはありません
(既に連絡を頂いている方以外で取り置きや別日販売などご希望の方はrhubarb_hankie_coa☆hotmail.co.jpへご連絡ください、なるべく善処いたします)

夏コミ(コミックマーケット84)申し込みました

申し込みました。

サークル名:桃歌台学園雅研究会
執筆者名:rtbru(ほかゲスト執筆2名)
ジャンルコード:500 アニメ(その他)
頒布物概要:アニメ『桃華月憚』の二次創作小説・評論・エッセイ本を出します。初視聴者向けのアンオフィシャルガイドも制作予定。

といった感じです。落選した時のことはあまり考えてませんが、どうにかなるでしょう(?)
サークルカットは僕の友人が描いてくれました。ただ文字が危うい感じなので間に合えば修正します。
筆不精なもので、こう無理にでも申し込まないと書かない質なので、ようやく覚悟を固めて書くことにし…たい。
頒布物についてはもうちょっと企画が進み次第書きます。ゲスト執筆の方についても。

生存戦略

・生きてます。Twitterもこっそりやってます。

・半年ぶりに新規アニメを見始められるくらいの生活内の余裕は生まれてきました。
 ただ激忙しかったわけでもなく、みみめめMIMIのライブとかもたまに行ってましたけどね。

山田くんと7人の魔女を見てます。
 ヒロインが早見沙織・いじめられっこ・いじめっ子撃退・うるさい三人組・1話でキスだから実質桃華月憚じゃ?
 「心と身体が入れ替わった」ってフレーズはおかしい気がして、両方替わったらそのままですよね。どうなんでしょう。
 みみめめMIMIの新曲もいいですね。ライブで聞きたいなあ。

・他はレーカン!プラスティック・メモリーズミカグラ学園組曲SHOW BY ROCK!!を見ています。
 あとはユリ熊嵐も見始めてますが、久々に見るイクニ作品がコピーのコピーのコピーのコピーである気がしてて、
 作品の不出来によるものなのか、自分のアニメ見なさすぎによるものなのか判明しませんが、まあまあです。

同人活動はまだ再開できないですが、うず高く積まれた『幻想綺憚輯』は売り切りたいなあ。
 人類史上初の桃華月憚(アニメ)の同人誌『幻想綺憚輯』はメールにてご注文を受けつけてます(たまに来てます)。
 rhubarb_hankie_coa★hotmail.co.jp にて。(★→@)

C86

当初予定していた大ボリュームの新刊は落としました。すみません。
せめてものアレとして、テレビアニメ全台詞(1話〜10話)をフリーペーパーとして頒布します。
あとは適当にアニメの感想などを書いたペーパーも置いときます。
あと既刊『幻想綺憚輯』もちょっと持っていきます。
1日目東パ59a です。よろしくお願いします

大阪大学SF研究会さんの『本当はこのループ作品がすごい!』に寄稿させていただきました

お久しぶりです。タイトルどおり、夏コミの三日目で販売される、
大阪大学SF研究会さんの『本当はこのループ作品がすごい!』
http://ousf.blog63.fc2.com/blog-entry-92.html
に、『桃華月憚』の第十五話「暦」に関する評論「暦をめくることについて」を寄稿させていただきました。
入門者向けの導入から深い分析まで、これまで『桃華月憚』について考えてきたことを詰め込んでみました。
一万五千字くらいで、『幻想綺憚輯』で書いたどの文章よりも長くなってしまったという…

ここで書ききったお陰で自分の同人誌で書くことが無くなったので、どうしようかと考え中です。もう遅いか。

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

そのうち考えようと思ってたけど2013年ももう終わりでした。

・2013年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

アイカツ!』#35「涙の星
この回がある限り、アイカツ!の主役は紫吹蘭さんであると思えてならないのです。

ラブライブ!』#6「センターは誰だ?」
ありがちながら相応しいタイミングで挿入され、相応しい気持ちよさで締められた回。
なんかまあ大変そうだけど爽やかだしかわいいからいいでしょ、というのがこの作品への見方でした。

惡の華』#8「第八回」
まるっきりBGM化しています。

断裁分離のクライムエッジ』#13「グレイランド・イズインザハウス」
なんとか最後まで観て良かった。このアニメも惡の華も、最終話の最後で2期でやりそうなことの
総集編を流しているんですよね。ひたすら闇を感じる。

恋愛ラボ』#1「出会ってしまった二人」
1話でこうもワクワクさせられたのは久々かもしれない。
勇しぶもそうだったけど、話ごとの作画の凝り具合にかなりブレがあってつらい…

ローゼンメイデン』#5「天使の黒い羽根」
独特の辛気臭さ静謐さのなかで繰り広げられる時間軸惑わせ脚本。ごちそうさまでした。

ステラ女学院高等科C3部』#4「不射ノ射ヲモチ当タルベシ。」
シリーズの後半はあまり好きではないですが、この話は単体としても非常に見応えがありました。
居場所を求めるのではなく、自分のいる世界が自分の居場所である、というのは沁みます。
帰宅部6話と並ぶ今年のベストだと思います。

犬とハサミは使いよう』#10「光陰犬の如し」
絶対衝激〜PLATONIC HEART〜の系譜を感じる…
原作読んだ人が「原作のが色々省かれてておバカバトルアニメになってる」と嘆いてたので本当にそうだと思います。

帰宅部活動記録』#6「青春は爆発だ 他」
11話も面白かったですが、全体を通しての相乗効果ということもあり。単体の話としてはこれが素晴らしかった。
http://d.hatena.ne.jp/rtbru/20130920/1379660839

『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』#9「(1) ドキッ!美少女だらけの水泳大会」
原作は絶望的なまでにつまらないんだろうなあ……と思うなどしました。
ジュエルペットでもそうだったけど、モブの行動が見ていて不気味なんです。

帰宅部活動記録について

宗教上の理由により、放送前から『ローゼンメイデン』が今期最高、また対抗馬、次点として
帰宅部活動記録』が来ると言いふらしていましたが、いつの間にか『帰宅部』が圧倒的に、
現時点において今年最高のTVアニメとなっていました。(『ローゼン』も勿論良いけど……)

今をときめく中学生アイドル・乙女新党が高らかに歌う中毒ソングOPは傑作『GJ部』の再来を匂わせるも、
蓋を開けてみれば主要キャラの声優全員が現役女子高生(「たった一度の本番を棒に振るラジオ」素晴らしい)、
ギャグの合間に生じる奇妙に居心地の悪い独特の間、何よりどう見ても納期ギリギリで何度も放送の遅れが生じている作画など、
何かと凄まじい作品という第一印象を残しましたが、それら全てをカバーする卓越した脚本、大胆かつメタ的な構図の数々、
ざらしのかわいさ、安藤夏希のかわいさが大いに光っているのだと確信しました。

昨日は例によって帰宅部のいない木曜日となりましたが、残すところもあと三話、たった三話であることを踏まえ、
ここで色々と振り返っていきたいと思います。
個人的には6話が全体を通して最も面白いと感じたので、主にその話を。

6話は「記録の十八・青春は爆発だ/記録の十九・ギルティ・ジャッジ/記録の二十・萩調流四天王」の三本立ですが、
それぞれの話をまとめると…

「青春は爆発だ」では皆で四人用のゲームをしようと持ちかけた道明寺桜が逆にハブられ、キレた桜が缶蹴りをしようと提案、
しかし大萩牡丹の身体能力のチートっぷりにゲームが成立しない。そこで桜はあらゆる手段で徹底的に牡丹を
拘束し、ゲームを続けようとするも、尽く突破されるため、最後にはミサイルを使って牡丹を宇宙へと飛ばしてしまう。

「ギルティ・ジャッジ」では前記においてハブられたことの逆恨みから、桜が映像を用いて「ギルティ・ジャッジ」という某ホラー映画風の
ゲームを開始するが、その中身は椅子取りゲームで、桜以外の部員の四人は渋々付き合うも、ゲームが終わると四人とも出ていき、
部室には桜だけが取り残される。桜は泣きながら部室から出るが、部室の外で待っていた部員たちに一緒にレストランに行こうと言われ、
元気になる。

「萩調流四天王」では大萩牡丹が属する萩月流の四天王と、帰宅部の部員たちがレストランで鉢合わせする。
この話の大半は四天王の会話によって成り立っている。

しかし、この話の時系列はやや独特です。

 アバン(2.缶蹴り始め)
 ↓OP
 記録の十八・青春は爆発だ(1.ゲームでハブられる→3.缶蹴りの続き)
 ↓
 記録の十九・ギルティ・ジャッジ(4.ギルティ・ジャッジ)
 ↓アイキャッチ
 記録の二十・萩調流四天王(5.四天王)

中盤以降は時系列通りですが、アバンからAパートにかけては若干前後しています。
これはもちろん、アバンの初見では意味不明な流れを印象づけるためにあります。



これらのシーンの意味は、OP明けで徐々に分かっていきます。夏希が気持ち悪そうにしているのはコーヒー飲みまくってるからですね。
基本的に、特にギャグアニメでは時間が進めば進むほど、情報量とその複雑性が高くなります。(エントロピー的な)
それをこのアニメでは最初に、1シーンごとに特徴的な箇所を連続して見せることで、OPが明けてからその状態に至るまでの過程を
楽しませるという意図が見えてきます。しかしそれだけでは弱くて、最後に何が待ち構えているのかというと、

この構図。このシーンでは夏希が気持ち悪そうにする声と、「ゲーム再開だ!」という台詞しかありませんが、初見で感じ取っていた意味不明さと
対照的に、ここでは記録の十八において繰り広げられた特徴的な行動が全て組み合わさっているため、受ける印象も当然異なります。
また、『帰宅部』の特色として、キャラの性格を非常に大事にする作風が目立ちます。2話のホトトギスのやり取りなど、ひとつの題材から
枝葉のようにキャラ設定を伸ばし込んでゆく手法など。このカットでも、クレアが後ろ手に持っているリモコン、
ミサイルの発射台に書かれた「KOKONOE」の文字がそれを示しています。
この回だけでなく、情報量が増し過ぎた末にその全体像を止め絵で映し出すということはよくやってます。


2話「女子力オーバードライブ」


6話「萩調流四天王」

これがそのまま本編のオチになるということもありますが、その構図の細部を視聴者に確認させるための間が存在し、
その間がエピソードを終わらせるための情報増加の句切れ目であり、印象深い見事な締め括りとしての役割を果たしています。
色々と細々とした小物が散乱する部室の全体を写すカットとなれば、受ける感覚は圧倒さを増していきます。
そもそも「納期に間に合う」やら「テコ入れ」やらメタフィクションネタまみれのこのアニメで、
ギャグのノリ自体は『銀魂』から暴力を少し奪ったものに近いんじゃないかという感じがするのですが、
こうしたカットもその全体を見渡すというメタ的な行為を助長させることに繋がっています。

そのまま物語は次の「ギルティ・ジャッジ」に飛びますが、ここで一つ面白いことが起こってます。
それは前置きなしに、1日を跨いでいるということ。それにまつわる描写は一切省かれ、桜の台詞も「昨日」という言葉は使わず、
「お前たちは、記録の十八「青春は爆発だ」で、あろうことか部長を差し置いて、四人だけでゲームをして楽しんだな!」
と表現しています。これでなんだか時間軸が分かりづらくなる。もちろん、缶蹴りの後で部室に帰ったという可能性は考えられない
(この回では雨降ってるし)ため、一日を跨いだということは後になって分かるのですが、でもそこまで頭を働かせるような要求をしている
ようでもないため、不自然さを感じながらも見過ごしたままになるのですが、それに気づくと、その日の夜に桜が自宅であの映像を撮ったんだろうな……
という感慨深い発見もできてしまうわけです。

ただ、そうして分かりづらくした意味は他にもあり、ギルティ・ジャッジが終わった後は四天王のくだりに入るため、その日の出来事がその回のうちに
全て描写されます。しかし先述の理由から、視聴者はこれがよもや一日間の出来事であると錯覚してしまう。するとこの三本立の与える時間的な印象が、
非常に短いものとして感じられるようになります。何度見てもこの回は体感的な時間があまりにも速すぎる。

そして「萩調流四天王」では。

途中にこのあざらしのカットが挟まって、二回に渡って(少し省略されながらも)萩調流の紹介が繰り返されるのですが、
これが冗長な印象を与えない。けれど立派な時間稼ぎにはなっている。冗長さの原因となる萩調流に関する説明が
「以下略」で済まされたことも大きいですが、この場合は演出上、あざらしの果たす役割が大いに貢献しているということでしょう。
ざらしの役割としては他に滑りそうになったギャグを強引に締め括る際の登場もありますね。(5話とかはそれが多すぎてちょっと辛かったけど)
その後に上記のカットを入れて、間ができた後、しっとりとしたEDへ入る。この流れは白眉であり、見ていて非常に心地よくなっています。


さて、今後の『帰宅部』について考えられるのは、最終話か、あるいは直前で、かなり強行的に感動させる描写が出てくるであろうという点。
そもそも5話の「うろおぼえ御伽草子」、6話の「ギルティ・ジャッジ」、7話の「サプライズ・パーティー」(この回って全部がしりとりになってるんですね、
そこにも感動しましたが)など、微妙にお涙頂戴に走る展開が多々ありますが、例えば『キルミーベイベー』の最終話で突然出てくる謎の感動的な演出に近い、
そんな描写だと思います。それに準ずるものがこれまでに出てきているということは、最終話かその付近で、何かとんでもないことが起こる予感がします。

というのも、

先日発売されたこのサントラに収録されている「ベスト・フレンズ」が、何だかやるせない雰囲気の曲で、なおかつTVサイズも収録されていて、
最終話あたりで流れる可能性が非常に高いからです。

帰宅部』は、学園生活上に欠かせない「帰る」という終わりを意味する行為を、あの手この手でその猶予を引き伸ばし享楽するのがテーマであると
認識していますが、TVアニメにおいても欠かせない「最終話」が近づいた時、すでに放送延期でその猶予を引き伸ばしているものの、
このアニメがどのような展開に運ばれるのか、怖いやら楽しみやらでもあるのです。