『桃華月憚』全セリフ:制作No.03「剣」

制作No.03「剣」
・脚本:望月智充 ・作画監督:浅井昭人
・絵コンテ/演出:今千秋

【アバン】
ナレーション「桃華月憚

【Aパート】
桃香「(あの時俺は…俺の内なる石剣の記憶を確かに、己の体験として見ていたし、感じてもいた。けど…だからってな…)」

ナレーション「サブタイトル 剣」

桃香「はぁ…俺にどうしろって言うんだ…」
胡蝶「まあ桃香ったら」「ご機嫌斜めかしら?」「せっかくお姉さんたちが来てあげたのに」「随分なご挨拶だこと」「しかも、わたくしのお尻に触りましたわ?」「わたくしの胸にも」
桃香「さ、触ってねえよ、そんなとこ!」
胡蝶「オホホホホホ、オーホホホホ、オホホホホホ…」

トウカ「石剣を手に入れたら、春彦、一番初めに斬ってあげる」
トウカ「石剣が欲しいの。石剣はどこなの…」

寧々「どうなさいました?」
由美子「夢を見たの…桃香ちゃんの夢…」
寧々「桃香ちゃんの…」
由美子「夢の中の桃香ちゃんは違うの…ちっちゃい、女の子なの…ちっちゃいの…」
寧々「大丈夫ですよ。由美子様。」
由美子「ちっちゃいの…」
寧々「大丈夫。夢ですよ…お休みください。」

セイ「…ジュナ、お姉様―――!!」
セイ・フウ「イサミヒコ様!!」
ジュナ「兄者!!」
ジュナ「イサミヒコを救い給え」
セイ「イサミヒコを救い給え」
フウ「イサミヒコを救い給え…」
桃香「冗談じゃねえ…思い込み、激しすぎだろ…」

真琴「ひゃあっ…!」
桃花「え?どうしたの?」
真琴「どなたかが、真琴に夜這いを…」
桃花「よ、夜這い!?」
真琴「犯されちゃいますぅ〜」
桃花「ん?桃香ちゃん?」
真琴「ほぇ?とーちゃん…先輩?」
桃花「ん〜、桃香ちゃん!マコちゃんに何するつもりだったのよー!」
真琴「桃ちゃん、先輩…」
桃花「よし、ジャスト3分。いただきます」

由美子「…誰?桃香ちゃん。…桃香ちゃん?なに?これ。どうしたの?」
桃香「殴られた」
由美子「誰に?」
桃香「桃花」
由美子「?」
桃香「桃花にボコられた」
由美子「桃花ちゃんが、そんなことする訳ないでしょう?ウソ言わな〜い」
桃香「ママ…ちょっとだけ、布団に入ってもいい…?」
由美子「どうして?どうしてかな?」
真琴「…カロローソ…」
桃香「ママ…」
由美子「ダメよ。そんなとこ、触っちゃダメ〜」
桃香「だって…」
由美子「ダメったら…」
桃香「ママ、あったかいよ…」
由美子「そうねぇ、由美子、少し熱があるの」
桃香「そんなんじゃない…ものすごく、熱いんだよ…」
由美子「あっ…ダメ」
桃香「ママ…」
由美子「…じゃあ…桃香ちゃんはどんなかなー?」
桃香「えっ…」
由美子「触っちゃおっと」
桃香「あっ…」
由美子「やーだー、なんか濡れてる〜、桃香ちゃん、濡れてる〜」
桃香「…っ、そんなこと」
由美子「それそれ〜そ〜れ〜…あーあ、桃香ちゃんのココってかわいいんだ〜」
桃香「そんな…」
由美子「そんな、なに?」
桃香「ママが、女」
由美子「いいんだもーん、だって由美子は、ママなんだもーん」
桃香「あっ……ママ…」

アイキャッチ

【Bパート】
春彦「何やってんだ、お前」
桃香「星を見ている」
春彦「星?ふっ、見えるわけないだろう。夜でもないし。第一、今日は曇っている。」
桃香「だからって、星は無いのか」
春彦「えっ」
桃香「見えないからといって、あの空の彼方に、星は無いのか」
春彦「いや…そりゃ、存在はしてるけどさ」
桃香「だろ?だから星を見ている。悪いか?」
春彦「…少し、分かるな。例えば、誰かが自分の命をかけるほどの思いを、寄せていたりする。その思いは、目には見えない。だけど、見えないけれど、存在していて、明るい空にも、確かに存在するはずの、星のようなもの、かもな」
真琴「行ってきまーす!」
桃香「バーカ。朝っぱらから星なんか見てるヤツがいるわけねえだろ。」
春彦「ぐっ、何だとっ!?」
桃香「変な光が見えたんで、UFOかと思って見てただけだ」
春彦「だ、だってお前、星は存在するとかって」
桃香「意味なんかねえよ。何となく、教訓ぽいから言ってみただけ。フッ、胸に刻んでおきな」
春彦「ぐぐぐ……えーーい!!」

真琴「わぁーー!いい天気になりましたねー!」
桃花「ねー。朝はあんなに曇ってたのにね。ウフフッ」
真琴「いよいよ明日は、上巳の歌会です!」
桃花「そうだね」
真琴「はい!」
真琴「上巳の歌会は、いよいよ明日です!」
桃花「そうだね」
真琴「はい!」
桃花「もしも…もしも、マコちゃんと私が、お別れすることになったら…どうする?」
真琴「んー……ないないない!ないです!」

胡蝶「桃香は…どうするつもりなのかしら」「今年の上巳の歌会は違っている」「私達とて、このままでは…」「およしなさい、つばめ」「はい」「およしなさい、すずめ」「はい、姉様がた。」「今は、この一杯のお茶が…」「この一杯のお茶が…」「人生。」「イサミヒコを救い給え」
桃香「それはつまり…今、なのか。」
鬼梗「それが、今なのだ。人の意思が、精神力が、人の集中力が、何百年も続くものなのか、分かるか。それを続けることが、人の心を、どれだけすり減らすものなのか、分かるか。」

真琴「あっ……鬼梗様…」
鬼梗「真琴よ…」
真琴「はい」
鬼梗「明日の歌会は、本来の意味では、最後の歌会じゃ。」
真琴「最後の…」
鬼梗「妾がサポートするゆえ、そちの秘めたる龍皇の力を、全て、解放するが良い」
桃花「もう…繰り返したくない…だって…だって…」
真琴「アーアーアーアーアー…アーアーアーアーアー…」
ユーリカ「にゃあ…にゃ!?うは?しめしめ。にゃ〜にゃにゃ〜にゃにゃ〜」
胡蝶「まあ」「桜の花が」「いつの間にか五分咲きに」「春ですわね」
章子「二宮の姫様がた?」
胡蝶「あら」「あら」「あら」
章子「お尋ねしたいことがありまして」
胡蝶「まあ〜」
章子「来年度、我が蓮会の生徒会予算が、二割ほど削減されていることに関しまして」
胡蝶「オホホホホホホ」「何のことかしら〜?」
章子「トボけんじゃねえよ!!二宮の妖怪達!!」
胡蝶「まあ〜」
ユーリカ「にゃ〜にゃにゃにゃにゃ〜」
胡蝶「あら…」「まさか…」
章子「おや〜?今のは、あんたら妖怪の、美少女監禁事件の、美少女ではなくって?」
胡蝶「オホホホホホ…」

鬼梗「(それを続けることが、人の心を、どれだけすり減らすものなのか、分かるか。)」
桃香「知るかよ…」
鬼梗「妾は、そろそろゆっくりと、長い眠りに、眠りたいものだ」

由美子「寧々ちゃん」
寧々「はい」
由美子「由美子の次の締め切り、もうすぐだったわよね〜」
寧々「ご無理は禁物ですよ」
由美子「でもお仕事しないと…ん?寧々ちゃんは、さっきから何をしているの?」
寧々「にんにくを剥いております」

桃香「くそ…分かったよ!うっせえな。」
真琴「桃先輩…ごめん…でも、先輩が望んでいることだもの…」
桃花「桃香ちゃん。ねえ、ふざけたふりして、抱きついても、いいですか。」
桃花「絹宮に行くことは、叶わなかったけど、もしも、次に会えたら、私は、桃香ちゃんに飛びついて、キス、します…」
桃香「お前、何言ってんだ…」
桃花「いいの!キスするの!おやすみ!」
ユーリカ「にゃ」
桃花「!?ユーリカさん?」
ユーリカ「ふん。フラれた?」
桃花「えっ?」
ユーリカ「桃花、フラれた〜」
桃花「なんでこんなトコにいるのよ。」
ユーリカ「桃花には恨みがあるからにゃー」
桃花「私はフラれてない!!」
ユーリカ「…か〜えろっと。覚えとけ、バカ桃花。ふん!」
桃花「ベーだ!!…ん〜、なんなのよ…」
桃花「お腹すいた、寧々さんにラーメン作ってもらおう」

ナレーション「ツヅク」

【予告】
桃香「冠が、輝く。」
由美子「冠が、輝く。」
桃花「冠が、輝く。」
ナレーション「次回、『冠』」