『桃華月憚』全セリフ:制作No.04「冠」

制作No.04「冠」
・脚本:望月智充 ・作画監督:八尋裕子
・絵コンテ:喜多谷充 ・演出:中山敦史

【アバン】
ナレーション「桃華月憚

【Aパート】
ジュナ「鬼梗…」
フウ「久方ぶりですね、鬼梗…」
鬼梗「ジュナもフウも、一千年ぶりの再会を喜びたいところだろうが、」
フウ「は」
鬼梗「そうも言っておられぬ事態が出来した」
ジュナ「どうしたの?」
鬼梗「セイが式神の手に堕ちた」
フウ「お姉様が…!」

ナレーション「サブタイトル『冠』」

みはし「ごめんね?手荒なことして。でも、セイが抵抗するから悪いんだよ?」
桃花「あなたは、誰!?」
みはし「ケッケッケッケッ…僕はみはしという者だよ。これでも君のこと、昔から崇拝してるんだよね」
桃花「みはし…?」
みはし「綺麗だよ…セイ。だから、これを被せてあげる」
桃花「……やめて!!」
みはし「綺麗な冠だよ?ケッケッケッケッ…」
桃花「やめてぇーーーーー!!!」
みはし「セイを唯一の女神として君臨させてあげるよ。それが、僕達の究極の目的だからね。」

由美子「あぁん、そこ、いい…」
桃香「ここ?」
由美子「あん、そこも気持ちいい…」
桃香「そう?」
桃花「(あ〜、そこ気持ちいい〜)」
真琴「(そうですか〜?)」
由美子「あぁ…ダメ、桃香ちゃん上手〜」
寧々「桃香ちゃん」
桃香「ん?でも」
寧々「大丈夫ですよ」

真琴「ハルちゃん先輩!」
春彦「あ、何だよ、犬飼」
真琴「腰、揉んであげますです!」
春彦「はぁ?」
真琴「桃先輩の腰が上手に揉めますように、真琴、やってみるです!」
春彦「何それ。俺練習台かよ」
真琴「まあまあ是非是非!…あっ、ハルちゃん先輩」
春彦「ん?」
真琴「この傷…」
春彦「気にするな。」
春彦「(自分さえ記憶にない、こんな傷のことなど…)」

みはし「ケッケッケッ、さあセイ、僕の手を握るんだよ。ケケケ、ケケケケケ」
みはし「ケケ、上手だ」
フウ「未だに暗躍しておったのか、あの者達は」
鬼梗「左様。フウ再臨計画とやらを裏切り、相変わらずセイを独占しようと足掻いている、千年一日、思考回路が一千年変わらぬ」
ジュナ「だけど、そのみはしって奴が最後の一人なんでしょ?式神のさ。」
フウ「ならば、恐るるに足らずではないのか?」
鬼梗「だが、セイを手中にしているとなると」

桃香「何なんだよ。わけわかんねー」
寧々「とりあえず桃香ちゃん、行ってらっしゃいませ」
桃香「てさ、どこに行けっていうんだよ」
寧々「それは運命が導くままに」
桃香「何だよそりゃ。そういや、桃花のやつ、どうしたんだろうな」
寧々「桃花ちゃんを救えるのは、恐らく桃香ちゃんだけです」
桃香「はぁ?…っ!」

フウ「お姉様が、苦しんでいる…」
鬼梗「期せずして、異界に堕ちたか」
桃香「…!う、わぁーーーっ」
桃香「…っ、桃花…」
みはし「これで石剣はボクのものになったのと同じだよ。さあ、邪魔者たちをやっつけに行こうね」
ジュナ「なんか懐かしいよね、この感触。てか、この匂い、みたいな?」
フウ「そうか…」
ジュナ「だけどアレだな、敵は桃香を使って、私らを斬ろうとするだろうね。」
鬼梗「真琴」

真琴「き、鬼梗様?あのー、今お風呂ですから、上がってからでも良いですか?え、緊急事態?石剣の動きを、封じるですか?」
桃香「石剣を使って、誰を斬れと言うんだ、桃花」
みはし「ジュナとフウだよ、桃香ちゃん」
セイ「ジュナとフウだよ、桃香ちゃん」
みはし「獲物はこれから桃香ちゃんのところに行くよ。さ、石剣を用意して待っていて。」
セイ「獲物はこれから桃香ちゃんのところに行くよ。さ、石剣を用意して待っていて。」
真琴「とーちゃん先輩…」
みはし「いよいよ戦だよ」
セイ「戦…?」
みはし「そう。戦。その後、桃香も殺して、石剣もちゃんと手に入れようね」
みはし「ボクね、仮面の欠片もたくさん集めてるんだよ。後ひとつ集めればフルコンプできるんだ。そしたら、僕達の結婚式だよ?楽しみだね。…、どうしたの?な、なぜ、なぜ石剣が動かない」
みはし「セイ…もっと強くだよ」

アイキャッチ

【Bパート】
春彦「なんだ、今の光は…っ…(誰だ…今の女の子は、誰だ)」
トウカ「(石剣を手に入れたら、春彦、一番始めに斬ってあげる)」
胡蝶「オーホホホホ、オーホホホホ」
ジュナ「死霊とか妖魔とか大勢漂ってるけどな、ロクな連中がいない。戦力になるのはこんなもんかな」
フウ「何のための戦か…」
鬼梗「あっ…」
ジュナ「どうしたの、鬼梗」
鬼梗「妾の力が、届かなくなっているのかもしれない」
ジュナ「大丈夫?」
鬼梗「桃香の動きを止めておくのも、そろそろ、限界か」

真琴「鬼梗様……鬼梗様、お声が小さくなっていますです…ディミヌ、エンドです…」
寧々「ご苦労様、マコちゃん。」

鬼梗「桃香が、石剣を使うやもしれぬ」
ジュナ「石剣を使ったものが自らをも滅ぼす」
フウ「それではイサミヒコ様と同じ運命ではないか…」
トウカ「(石剣が欲しいの。石剣はどこなの)」
胡蝶「オーホホホホ、オーホホホホ」
トウカ「ねえ、石剣が要るの。春彦を斬ってあげなくちゃ。だって、春彦が好きなんだもん。ねえ、石剣を取ってきてよ。今すぐ」
胡蝶「オホホ、馬鹿じゃないの?」「あんたのママは、もうジュナじゃないのよ」「だから、あんたの命令なんか聞かない」
トウカ「だって、石剣が要るの!石剣を持ってきてよぉ……」
胡蝶「所詮は子供」「オーホホホホ、オーホホホホ…」
トウカ「あぁ待って!」
春彦「おい」
トウカ「春彦…」

みはし「石剣はどこ…石剣はどこなんだよ!!」
セイ「桃香、ちゃん…」
みはし「こうなれば、真の闇宮まで、堕ちる…」

春彦「昔、この同じ場所で、俺たち…」
トウカ「こんなことくらいで…いい子になるわけ、ないじゃん…」
春彦「なに?」
トウカ「あたしが、いい子になるわけ、ないじゃん…」
トウカ「抱きしめてよ。抱きしめてよ、春彦。」
春彦「…うん」
トウカ「石剣なんか、いらなかったんだ…」
春彦「石剣…」
トウカ「あたしは、あたしはこれだけで…あたしはこれだけで、満足しちゃうんだ…」
トウカ「これだけで、幸せだったんだ…」
春彦「あの娘は…」
寧々「春彦くん」
春彦「御堂さん」
寧々「春彦くんはお忘れになっていましたが、あの娘は確かに、由美子様のお子様。」
春彦「由美子さんの…?」
寧々「そう。人は人を求めるものです。彼女はそれが激しすぎた。だからと言って、それを誰が責めることができますか?」
トウカ「(石剣を手に入れたら、春彦、一番始めに斬ってあげる)」

桃香「うぜぇ…」
セイ「桃香、ちゃん…」
みはし「ケケ、ケーケケケケ、ケケ、ケ!」
みはし「おい…おい…おい…おい!!」
桃香「だから」
章子「行っけぇーー!」
桃香「うぜぇんだよ」
章子「うっそぉーーーー!!!」
桃花「桃香ちゃーん!」
桃香「…帰ろう」

鬼梗「帰るぞ」
ジュナ「戦はどうした」
鬼梗「終わった…」
章子「〜〜〜っ、何じゃこりゃーーー!!」

ナレーション「ツヅク」

【予告】
桃香「仏の、光。」
由美子「仏の、心。」
鬼梗「仏の、邪気。」
ナレーション「次回、『仏』」